2024/07/31
ご家庭にオスの犬や猫がいる飼い主様には、基本的に去勢手術を推奨しています。
健康な子にメスを入れることに抵抗のある飼い主様もいらっしゃいますが、将来起こりうるオスならではの病気の予防やホルモンが関与する問題行動を抑えるなどのメリットがたくさんあります。
今回は犬と猫の去勢手術について、手術を行う理由やメリット、デメリットなどをご紹介します。
■目次
1.去勢手術とは
2.未去勢でかかりやすい病気
3.去勢手術のメリット・デメリット
4.まとめ
去勢手術とは
去勢手術とは、陰嚢(精巣を収める袋)の中にある精巣を取り除き、生殖能力をなくすために実施する手術のことです。
犬では陰嚢の付け根のおなか側にメスを、猫では陰嚢に直接メスを入れ、左右の精巣を取り除きます。精巣が陰嚢内になく、鼠径部(後脚の付け根のおなか側にある皮膚の下)にある場合はその部分を皮下から取り出します。腹腔内(おなかの中)にある場合は開腹手術が必要です。
また、オスは発情中のメスに反応して発情するため、発情期というものはありません。
そのため、体がある程度成熟してきた6ヶ月齢以降であれば、基本的にいつでも去勢手術を行うことができます。
未去勢でかかりやすい病気
オス犬が去勢手術を行わない場合、以下の病気を発症する可能性があります。
・精巣腫瘍
・前立腺肥大
・会陰ヘルニア
・肛門周囲腺腫
いずれも、麻酔のリスクが高い中高齢の犬や猫に発生が多い病気ですが、治療には全身麻酔下での手術が必要なケースがほとんどです。
また、精巣腫瘍は、特に精巣が陰嚢ではなく腹腔内や鼠径部にある場合(陰睾、停留精巣)に発生が増えることがわかっています。
去勢手術のメリット・デメリット
<メリット>
・オスならではの病気を防げる
・マーキングやスプレー行動、マウンティング、脱走などの問題行動を減らせる
・発情によるストレスがなくなる
・攻撃性が下がり人間社会で生活がしやすくなる
・病気を予防することで将来的にかかる医療費が抑えられる など
<デメリット>
・ホルモンバランスの変化により太りやすくなる
・全身麻酔のリスクがある
・手術後は数日程、活力が低下することがある
・繁殖ができなくなる など
まとめ
犬や猫の去勢手術には病気を予防するだけでなく、オスに多いマーキングやスプレー行動などの問題行動の解消や攻撃性を下げるなどさまざまメリットがあります。
愛犬や愛猫とストレスなく暮らすためにも、早めに去勢手術を受けることをお勧めします。
去勢手術についてご不明点などございましたら、お気軽に動物病院に相談しましょう。
■関連する記事はこちらから
病気の予防にも効果的|犬と猫の避妊手術について
埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
森田動物医療センター
当院の診療案内はこちら