犬の目の健康を守る|犬の目やにが増える原因と対処法について│埼玉県川口市-森田動物医療センター

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犬の目やには、通常は寝て起きたときに目頭や目尻に少しついている程度で、優しく拭いてあげれば起きている間は出ることはあまりありません。
しかし、目やにが増えたり、色やにおいに異常があったりした場合はその原因として目の病気が疑われます。

今回は犬の目やにが増える原因と対処法についてご紹介します。

■目次
1.目やにが出る理由と原因
2.目やにが増える原因として考えられる病気
3.目やにが出た時の対処法
4.予防法とご家庭での注意点
5.まとめ

 

目やにが出る理由と原因

角膜は、目の中央にある光を透すための円形の組織です。ぞくに黒目と言われます。角膜は皮膚と同じように、輪部(白目と黒目の境界部分)から新しい細胞が作られ、古い細胞が剥がれ落ちながら、一定の周期で入れ替わります。これをターンオーバーや新陳代謝と言います。
剥がれ落ちた古い細胞や目の表面のゴミなどは、涙の成分の1つであるムチンに絡め取られて、目やにとなります。
寝て起きたときについている目やにはこうした新陳代謝によるもので、少量であれば問題ありません。

しかし、涙の量が少ないと目の表面の汚れが涙で洗い流せないため汚れが溜まりやすく、目やにが増えることがあります。
犬も人間と同様に高齢になると目やにが増えることもありますが、これは高齢になって涙の分泌量が減り代謝が落ちるためと考えられています。

また、目に炎症があったり、細菌やウイルスに感染していたりすると、目やにの量が増える、糸を引くほどに粘り気が増す、においや色が変わるなどが見られます。

 

目やにが増える原因として考えられる病気

目やにが増える目の病気としては、主に以下が挙げられます。

 

<角膜炎・結膜炎・角膜潰瘍>

目から細菌やウイルスを排除しようと免疫反応が働き、目やにが増えます。
ウイルス性の場合は水状の目やにとネトネトと糸をひく目やにが、細菌性の場合は黄緑色でドロッとした目やにが出ます。

免疫の過剰反応であるアレルギーでも目やには増えます。
この場合はネトネトしたタイプの目やにが出ることが多く、結膜の充血や目の周りの腫れを伴っているケースも多いです。

さらに、異所性睫毛、眼瞼内反症、逆さまつげ、マイボーム腺炎などは結膜炎の原因になります。

 

<乾性角結膜炎(ドライアイ)>

目やにを作るムチンは、目の表面を乾燥から守る役割もあります。
目の表面が持続的に乾燥する乾性角結膜炎(ドライアイ)では、目を乾燥から守るためにムチンが多く分泌されます。また、通常であれば涙が洗い流してくれる目の表面の老廃物や汚れが溜まりやすくなるため、ネトネトした目やにが増えます

乾性角結膜炎は目だけでなく、甲状腺機能低下症や糖尿病など、全身性の病気が関わっていることもあるため注意が必要です。

 

<その他>

目の病気以外では、鼻の腫瘍や炎症、歯周病、眼窩腫瘍などで目やにが増えることもあります。

 

目やにが出た時の対処法

目の病気に限ったことではありませんが、基本的には症状が出たらなるべく早めに原因を突き止め、適切な対処をすることが重要です。
愛犬の様子が「いつもと違うな」と感じたら、早めに動物病院に連れていきましょう。

目薬は種類によって使うべき病気や状態が異なり、誤った使い方をすることで状態が悪化してしまうこともあります。
そのため、目薬が家にあるからといって自己判断でつけるのはやめ、まずは獣医師にご相談ください。

また、お家で目やにを拭き取る場合は、目尻や目頭を優しく脱脂綿で拭いてあげてください。
目やにを拭く際は目を擦らないよう注意して、本人が嫌がる場合は無理に取ろうとするのはやめましょう。

 

予防法とご家庭での注意点

目やにが増える原因はさまざまなため、一概にこれをしたら予防できるというものはありません。そのため、目やにの増加が見られたら早めに適切な治療を行うことで、悪化したり長引いたりすることを防げます。

また、乾性角結膜炎など目の乾燥が原因の場合は、人工涙液の点眼などで目の乾燥を和らげることができます。

前述したとおり、乾性角結膜炎は目だけでなく全身性の病気が原因になっていることもあるため、定期的に健康診断を受け、体に異常がないかを確認することも重要です。

 

まとめ

今回は犬の目やにが増える原因と対処法についてお話ししました。
私たち人間も同様ですが、目やにが増えると目の不快感からストレスを感じてしまうこともあります。
原因はたくさん考えられますが、いずれにせよ早期に適切な対応をしてあげることが重要です。そのため、何か異常が見られた場合は、お早めに動物病院で受診するようにしましょう。


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犬の乾性角結膜炎(ドライアイ)について

 

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