犬や猫の血液検査、尿検査、糞便検査について|獣医師が解説する検査の重要性│埼玉県川口市-森田動物医療センター

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愛犬や愛猫の健康状態をしっかりチェックできていますか?
普段、元気そうに見える愛犬や愛猫でも、体内では異常が起きていることもあります。そのため、検査を通じて、見た目では分からない内臓の機能や感染症の有無を確認することがとても大切です。

普段何気なく行っている血液検査や尿検査、糞便検査は健康状態を把握するために欠かせません。これらの検査は、内臓の機能や感染症の有無、体内の異常を早期に発見するのに役立ちます。

また検査には、臓器の形を見るレントゲン検査や超音波検査、心臓の状態を見る心電図検査、血圧測定などもあり、それぞれに大切な役割があります。

今回は犬や猫の検査の中でも体の内部を詳細に見ていく、血液検査、尿検査、糞便検査について、詳しく解説します。

■目次
1.血液検査、尿検査、糞便検査の重要性
2.それぞれの検査で分かること、実施の仕方について
3.まとめ

 

血液検査、尿検査、糞便検査の重要性

血液検査、尿検査、糞便検査は、愛犬や愛猫の健康を総合的に確認するために重要な検査です。これらの検査を通じて、内臓の機能や感染症の有無、寄生虫の存在などを早期に発見でき、病気の予防や早期治療につながります。

 

それぞれの検査で分かること、実施の仕方について

【血液検査について】

<血液検査でわかること>

血液検査では血液中の成分や細胞の酵素、抗体などを数値化して確認し、内臓が正常に機能しているかどうかの手がかりを得ることができます。

例えば、肝臓の酵素の数値が通常よりも高い場合、肝臓や胆嚢に問題がある可能性が考えられます。また、腎臓系の数値が高い場合は、腎不全などの腎臓の病気が疑われます。糖尿病では、食後でなくても血糖値が高くなります。体内で炎症が起こっていると、炎症マーカーと呼ばれる項目の数値が上昇することもあります。

抗体検査では、フィラリアや猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスなどの感染を確認することが可能です。さらに、血液中のホルモン濃度を調べることで、甲状腺機能亢進症や低下症、副腎皮質機能亢進症、糖尿病など、内分泌系の異常の有無を調べることもできます。

また、血液中の細胞を特殊な染色液で染めて、顕微鏡を使って細胞を詳しく観察することもあります。

血液検査は、すべての病気を特定できるわけではありませんが、病気の兆候を早期に見つけるためのスクリーニング検査として非常に重要な役割を果たしています。

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<血液検査のやり方>

診察室や処置室で犬や猫から採血をした血液を機械にかけます。
検査結果は院内の機械ですぐに結果が出ることもありますが、一部の血中のホルモン濃度や特殊な酵素の測定を行う場合は、外部の検査機関に依頼することもあります。また、食事は検査の結果に影響することがあるため、検査当日は朝食を抜いたうえで午前中の来院をお願いする場合もあります。

 

【尿検査について】

<尿検査でわかること>

主に腎臓、膀胱、尿道といった尿に関わる臓器や、糖尿病など尿に異常が現れる可能性のある病気がないかを確認します。

慢性腎不全では尿が薄くなり、細菌性の膀胱炎では細菌や白血球が見られることがあります。また、糖尿病では尿に糖やケトン体が混じります。通常、犬や猫の尿は弱酸性ですが、食事内容や病気によってアルカリ性や酸性に変化するため、尿検査でその状態を確認します。

また、尿路結石症の診断では尿を顕微鏡で観察し、結晶(結石になる前の小さな石で、肉眼では見えない疾患)を確認します。結晶が見つかった場合、その種類を特定して、治療方針の参考にします。

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<尿検査のやり方>

検査にかける尿は、ご自宅でとっていただくか、病院で採尿します。
検査では尿を検査紙につけ、色の変化で細菌や糖、ケトン体などの有無、pH(アルカリ性か酸性か)を確認します。その後、比重計という器具を使って尿の濃さを数値化し、顕微鏡で詳しく観察します。

細菌感染が確認された場合は、治療のために外部の検査機関に尿を提出し、細菌の種類を特定したり、どの抗菌剤が効果的かを調べる薬剤耐性試験を行ったりすることもあります。

 

【糞便検査について】

<糞便検査でわかること>

便の硬さや色が正常か、消化管内寄生虫や卵、幼虫がいないか、細菌やウイルスなどを確認します。

消化管内の寄生虫は都市部の犬や猫でもかなりの数が報告されており、見た目は健康そうに見えても問題を抱えている場合があります。そのため、定期的な糞便検査が重要です。

当院では、糞便検査にアイデックス社の新しい検査サービス「糞便抗原スクリーニングパネル」を導入しております。従来は糞便を顕微鏡で観察する方法を行っておりましたが、抗原検査はより高精度で、寄生虫の種類(ジアルジア、クリプロスポリジウムなど)まで特定することが可能です。

 

<糞便検査のやり方>

専用の容器に糞便を入れて持参しましょう。動物病院で検査機関(アイデックス)に送付し、結果が出るまで待ちます。

 

まとめ

血液検査、尿検査、糞便検査は、犬や猫に対して比較的負担の少ない方法で、体の機能が正常に働いているかや感染症の有無など、多くの情報を確認することができます。

ただし、これらの検査は1回ですべてを把握できるわけではないため、定期的に健康診断を受けることが重要です。検査を行うことで、その子の基礎データを蓄積し、健康状態の把握や病気の早期発見・診断に役立てることができます。

 

■当院の秋の予防・検診キャンペーンについて

当院では、期間限定の健康診断キャンペーンを実施しております。健康診断は、犬や猫の病気の早期発見や健康状態のチェックに欠かせないものです。普段元気そうに見える子でも、定期的に健康診断を行うことで、隠れている病気を見つけることができます。また、血液検査、尿検査、糞便検査などを組み合わせ、総合的に健康状態を確認することが可能です。

また、キャンペーンでは4つの健康診断メニューをご用意しております。
コースメニューは、気軽に受けられる「お手軽コース」や、より詳しい検査を行う「しっかりコース」、犬や猫それぞれの専用コースからお選びいただけます。

この機会にぜひ、愛犬や愛猫の健康状態をチェックし、病気の予防や早期治療につなげましょう。詳細やご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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