猫が痩せてきた?食欲旺盛でも要注意!|高齢猫に多い甲状腺機能亢進症とは|埼玉県川口市-森田動物医療センター

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最近、愛猫がよく食べるのに体重が減ってきた、夜によく鳴くようになったと感じたことはありませんか?「食欲があるから元気」と思って安心してしまうかもしれませんが、これらは甲状腺機能亢進症という病気の初期症状である可能性があります。

今回は猫の甲状腺機能亢進症について、症状や原因、治療方法などを解説します。

■目次
1.甲状腺機能亢進症とは?
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ

 

甲状腺機能亢進症とは?

甲状腺とは猫の首元にある小さな臓器で、代謝を活発にするホルモンを分泌しています。甲状腺機能亢進症は、このホルモンが必要以上に分泌されることで、代謝が過剰に活性化し、体にさまざまな負担をかける病気です。

特に10歳以上の中高齢の猫に多く見られる病気で、高齢猫の約10%が罹患するといわれています。また、代謝が活発になりすぎることで、一見元気そうに見えることもありますが、放置すると全身に負担がかかり命に関わることもあるため、早期発見が重要です。

 

症状

猫が甲状腺機能亢進症を引き起こすと、以下のような症状が見られることがあります。

 

・食べる量が増えているにも関わらず体重が減る
・食欲が増す
・多飲多尿
・嘔吐・下痢
・呼吸が速くなる
・よく鳴く(夜鳴きが増える)
・毛並みが悪くなる

 

このように、甲状腺機能亢進症は代謝が活発になった結果、全身に様々な変化が起こります。初期の段階では活発になったり、食欲が増したりするため、病気と気づきにくいことがあります。

しかし、病気が進行すると、体全体が疲弊し深刻な状態になる可能性があります。そのため、日常的な観察で少しでも気になる点があれば、早めに獣医師に相談しましょう。

 

原因

猫の甲状腺機能亢進症は、大部分が甲状腺腫や結節性過形成と呼ばれる良性の疾患によって引き起こされます。これらは甲状腺の細胞が異常に増殖し、ホルモンが過剰に分泌されることで症状が現れる病気です。

しかし、全体の約2%の猫では悪性の甲状腺癌が原因となる場合があり、特に注意が必要です。

 

診断方法

猫の甲状腺機能亢進症を診断するためには、以下の検査を行います。

 

<血液検査>

甲状腺から分泌されるホルモンである総サイロキシン(T4)や遊離T4(fT4)を測定します。

 

<総合的な検査>

甲状腺ホルモンは全身に影響するため、超音波検査やレントゲン検査、尿検査、血圧測定なども実施し、全身の健康状態を確認します。

 

また、高齢の猫では腎臓病など他の病気を併発していることも多いため、全身状態を確認しながら治療方針を決定します。

 

犬や猫の血液検査、尿検査、糞便検査についてはこちらから

 

治療方法

猫の甲状腺機能亢進症の治療は、以下の方法で実施します。

 

<薬物療法>

甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を内服することで、症状を抑える治療です。症状を抑えることが可能ですが、根本的な治療ではないため基本的に生涯にわたって薬を飲み続ける必要があります。

 

<外科手術>

根本的な治療を目的として、甲状腺の摘出を行います。薬物療法で改善が見られない場合に選択されますが、手術にはリスクが伴うため、猫の体調や年齢を考慮して慎重に判断します。

 

<食事療法>

ヨウ素を制限した療法食を与えることで、甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑えます。薬の副作用が強い場合や内服薬の服用が困難な場合などに選択され、他の治療法と組み合わせて使用されることもあります。
食事の変更は獣医師と相談して行いましょう。

 

予防法やご家庭での注意点

残念ながら、甲状腺機能亢進症に有効な予防法はありません。しかし、適切な治療を行うことで、病気と長く付き合いながら快適に生活することが可能です。そのためにも、早期発見と早期治療がとても重要です。

ご家庭では、定期的に体重を測ることで、体調の変化に気づきやすくなります。例えば、普段通りに食事をとっているにもかかわらず体重が急激に減少した場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。

また、高齢の猫はさまざまな病気にかかりやすいため、動物病院での定期的な健康診断を受けることをお勧めします。

 

まとめ

猫の甲状腺機能亢進症はよく食べて活発に動くため、病気に気づくのが遅れてしまうこともあります。根本的な治療が難しいこともありますが、早期に発見して適切な治療を行えば症状を抑えながら付き合うことができる病気です。

愛猫が少しでも長く健康的な生活を送るために、毎日の生活の中で気になる点があれば獣医師に気軽に相談しましょう。

 

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