2022/10/18
愛犬の咳が増えた、散歩中に座り込んでしまう、呼吸が苦しそう。このような症状は、弁膜症のサインです。
犬の弁膜症は、長期の治療が必要となり、飼い主様の負担が大きくなる病気のひとつです。
今回はこの病気について正しく理解し、安心して治療を開始できるように症状、原因、治療方法から日常の注意点まで説明します。
弁膜症の症状
犬の弁膜症は、心臓の弁の病気です。心臓の弁とは、心臓から全身へ血液を送るために機能している部位です。
この弁が病気により変形することで、心臓の機能が低下し、様々な症状を引き起こします。
弁膜症の症状として代表的なものは、最近咳が増えた、疲れやすくなった、安静時の呼吸回数が多い、という症状です。
これらの症状がみられたら、心臓の病気である弁膜症の可能性があります。
犬の弁膜症は、早期に正しく治療開始することで、病気の進行を遅らせ、症状を緩和できます。
原因
弁膜症の原因は明らかではありませんが、遺伝的な要因が疑われ、中年齢や老齢の小型から中型の犬種で発症が多くみられます。
疾病の発生率と重症度は年齢と共に増加し、10歳以上の小型犬の3分の1は罹患するともいわれています。
日本で飼育されている犬種の中では、以下の犬種で罹患報告が多くあります。
○チワワ
○シーズー
○ミニチュア・シュナウザー
○キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
治療方法
弁膜症の治療方法には、内服薬による内科的治療と手術による外科的治療があります。
内科的治療は、心機能を維持し、病気の進行を抑える働きの薬を、生涯継続して内服します。
適切な時期に内服を開始することによって、病気の進行を遅らせ、症状を緩和できます。
外科的治療は、変形した弁の形を修復もしくは人工物に置換する手術です。
外科的治療は、症状の進行度や合併症などにより適応されない場合もあり、一般的な動物病院施設で実施されていないことから選択肢にあがる機会は少なく、手術費用も高額になります。
日常の注意点
弁膜症の治療を開始した犬の生活で大切なことは、毎日の投薬です。
心臓の機能を助けるお薬を継続して内服することで、心臓の負担を軽減しているため、お薬は欠かさず飲むことが重要です。
また、弁膜症の治療中でも、突然症状が悪化する可能性があります。
愛犬の様子がいつもと違うなど、気になることがあればお早めに受診してください。
まとめ
犬の弁膜症の症状は咳の増加、運動不耐性、呼吸速拍など様々です。
原因は明らかではありませんが、高齢の小型犬に多いとされています。
犬の弁膜症は、早期に適切な治療を開始することで、病気の進行を遅らせ、症状を緩和できます。
愛犬の気になる症状があれば、当院へご相談ください。
TEL:048-281-3166