2023/04/24
犬と猫のワクチン接種は、さまざまな感染症を予防するために重要です。
ワクチンを接種しておくことによって、病気に感染したとしても、症状の重症化を抑えられます。
本記事では、犬と猫のワクチン接種、予防医療の重要性について解説していきます。
犬と猫にワクチン接種が必要な理由
犬と猫にワクチン接種が必要な理由としては、下記のとおりです。
・犬や猫への病気の感染、重症化を防ぐ
・ペットから人間への人獣共通感染症を防ぐ
・狂犬病など危険な病気の流行を防ぐ
犬や猫の感染症を防げるだけでなく、人にもうつる人獣共通感染症の予防ができ、人間の生活を守るためにもペットのワクチン接種は重要です。
また狂犬病など現在国内で流行はしていないが、大きな危険性を持っている病気に関しては、ワクチン接種を行う義務が定められています。
犬が接種すべきワクチンの種類と予防できる疾患
犬が接種すべきワクチンは混合ワクチンと狂犬病ワクチンです。
それぞれ、予防できる疾患と合わせて解説していきます。
混合ワクチン
混合ワクチンは、接種することで、多くの感染症から愛犬の健康を守ることが可能です。
予防できる疾患としては、下記の通りです。
・犬ジステンパーウイルス
・犬アデノウイルス
・犬パルボウイルス
・犬パラインフルエンザウイルス
・レプトスピラ感染症
・犬コロナウイルス
混合ワクチンで予防する疾患の中には、致死率の高い疾患が含まれています。
基本的に毎年の接種を行うか、しっかりと感染症に対する抗体があるか検査を行う必要があります。
また、混合ワクチンは5種混合ワクチンと7種混合ワクチンがあり、その違いは、レプトスピラ症の予防ができるかどうかにあります。
レプトスピラ症はネズミの尿が感染源となっており、
旅行等で流行地域に行く可能性があったり、キャンプ等でネズミの尿に接触する可能性のある犬は、7種混合ワクチンを選択するとよいでしょう。
狂犬病
狂犬病は、現在国内では流行していませんが、致死率の高さや人間にもうつる疾患であることから、毎年1回のワクチン接種が義務付けられています。
しっかりと接種をしておかないと、狂犬病が国内に侵入してきた際に感染する恐れがあります。
飼い主さんは、毎年1回は、狂犬病ワクチンを接種させるようにしてください。
猫が接種すべきワクチンと予防できる疾患
猫が接種すべきワクチンは、混合ワクチンであり、予防できる疾患としては、下記の通りです。
・猫ヘルペスウイルス
・猫カリシウイルス
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス
・クラミジア感染症
・猫免疫不全ウイルス感染症
基本的に室内外の猫では、「猫ヘルペスウイルス」「猫カリシウイルス」「猫汎白血球減少症」を予防する三種混合ワクチンが用いられます。
外で他の猫と接触する場合や、同居猫に猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスを持っている子がいる場合には、ライフスタイルに合わせて五種混合ワクチンや猫免疫不全ウイルスに対するワクチンを接種する必要があります。
まとめ
本記事では、犬と猫のワクチン予防接種について解説してきました。
ワクチンは、感染症からペットの身を守ってくれるだけでなく人間への悪影響も防いでくれます。
ライフスタイルによって接種すべきワクチンが変わってきますので、しっかりと獣医師と相談してワクチン接種を行うようにしてください。
埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
森田動物医療センター
TEL:048-281-3166
【参考文献】
子犬と子猫の診療ガイド(緑書房)p36~39 p50~51