2023/07/20
愛犬の歯茎が黒色に変色しているのを見たことがある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
病気のために変色している場合があるため注意が必要です。
この記事では、犬の歯茎が黒くなってしまう原因や考えられる病気などについて詳しく解説していきます。
■目次
1.犬の歯茎が黒くなってしまう原因
2.犬の歯茎が黒くなることで考えられる病気
3.飼い主さんが気をつけるべきポイント
4.犬の歯茎が黒い場合の治療法
5.まとめ
犬の歯茎が黒くなってしまう原因
犬の歯茎が黒くなる原因としては、生まれつきの色素沈着や何らかの病気が考えられます。
生まれつきの色素沈着の場合は、口の中に黒いシミや斑点が見られたり、歯茎が全体的に黒っぽく変色したりすることがあります。
この場合には、愛犬の体に悪影響を与えることは少ないため、特に心配はいりません。
しかし、病気が原因で歯茎が黒くなっている場合には、悪性腫瘍の可能性もあるため注意が必要です。
犬の歯茎が黒くなることで考えられる病気
犬の歯茎が黒く変色する病気としては、主に「歯周病」と「口腔内腫瘍」が考えられます。
歯周病の炎症が歯茎に波及すると、歯茎が黒っぽく変色します。そうすると歯茎から出血しやすくなったり、歯が抜け落ちたりすることがあります。
口腔内腫瘍では、「悪性黒色腫」に注意が必要です。犬の口腔内腫瘍の中で悪性黒色腫は発生頻度が多く、口腔内に黒色の腫瘤を形成します。
日頃から愛犬の口腔内をチェックし、黒色の腫瘤が形成されている場合は、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
飼い主さんが気をつけるべきポイント
飼い主さんは、犬の口腔トラブルにいち早く対処できるように日頃から口腔ケアを行いましょう。
歯磨きなどデンタルケアを行うことで、歯周病の予防に繋がったり、口の中を確認することで異変にいち早く気づけたりします。
口周りを触られることが苦手な犬も多いので、子犬のうちから歯磨きなどのデンタルケアに慣れさせておく必要があるでしょう。
犬の歯茎が黒い場合の治療法
犬の歯茎が黒い場合の治療法は、原因によって様々です。
色素沈着は、心配ない場合が多いので無治療で経過観察を行いますが、歯周病が原因の場合には、状態によって歯を抜歯する処置が必要になるでしょう。
また、悪性黒色腫のような口腔内腫瘍の場合には、外科手術や抗がん剤治療、放射線治療が選択されます。
犬の歯茎が黒い場合には、それぞれの原因に合わせた治療方法が必要となります。
まとめ
本記事では、犬の歯茎が黒い場合の原因や考えられる疾患について解説してきました。
色素沈着が原因で治療が必要のない場合もあれば、腫瘍が原因で積極的に治療しなければならない場合もあります。
飼い主さん自身で判断することが難しい際には、一度動物病院を受診して獣医師に診断してもらうのをおすすめします。
埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
森田動物医療センター
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〈参考文献〉
獣医内科学 第2版 p193