犬や猫の角膜潰瘍について┃角膜に傷が付く病気│埼玉県川口市-森田動物医療センター

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角膜とは目の1番表面にある複数の層で構成された膜のことです。角膜に傷が付き、これらの層が破壊されると角膜潰瘍となります。犬や猫における目のトラブルで最も多く、軽症であれば数週間の点眼で治癒しますが、重症化すると手術が必要な場合もある怖い疾患です。

この記事では、犬や猫の角膜潰瘍について詳しく解説したいと思います。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や注意点
6.まとめ

原因

・ドライアイ
・逆さ睫毛やまぶたの異常
・ヘルペスウイルスなどのウイルス感染(特に猫)
・外傷
・シャンプーや洗剤が目に入る   など

シー・ズーやチワワ、パグなど目が飛び出ている犬種は特に角膜潰瘍になりやすいです。


症状

目をしょぼしょぼさせる、涙や目やにが多くなる、目を気にして掻いたりこすったりする、結膜(白目の部分)が赤くなるといった症状がみられます。
また、光に敏感になったりする場合も、角膜潰瘍のサインとなることがあります。


診断方法

フルオロセイン染色を用いて角膜に傷がついているかを確認し、傷があるとその部分が緑色に染まります

さらにスリットランプという検査器具を使い、病変部の詳細な評価(傷の深さや血管新生の有無など)を行います。

角膜に細菌感染が疑われる場合は、細菌培養や抗生剤の感受性試験(どの抗生剤が効果的かを判定する)を行います。


治療方法

治療方法は潰瘍の原因や深さ、位置によって変わりますが、点眼治療と手術に分かれます。

主に使われる点眼薬は下記の通りです。
抗生剤点眼…潰瘍部に細菌が感染し急速に状態が悪化することを防ぎます。

抗コラゲナーゼ点眼…コラゲナーゼは角膜を分解する酵素で、炎症細胞や細菌から分泌されます。潰瘍を悪化させる一因なので、コラゲナーゼの働きを阻止する点眼を使用します。

人工涙液(ヒアルロン酸)点眼…角膜を保水させ傷の修復を助けます。

また、点眼での治療が困難な場合は瞬膜フラップや眼瞼縫合などの手術が用いられ、コンタクトレンズを装着することもあります

予防法や注意点

ドライアイなどの角膜潰瘍を起こしやすい基礎疾患のある子は、人工涙液の点眼などで日頃から病態をコントロールし、発症の予防に努めましょう

また、散歩のときに草むらや藪に顔を突っ込んだり、他の犬と喧嘩になって目を傷つけてしまうケースも多いため、しっかりと注意してあげましょう。

その他にも、外耳炎や皮膚炎で痒みがあり、耳や顔をかいているうちに目を傷つけてしまう場合もあります。ペットに痒みがありそうなときには早めに動物病院を受診し、痒みをできるだけおさえてあげましょう。

定期的な目のケアを行うことで、目の病気の早期発見につながることもあるでしょう。
犬や猫の正しい目のケア方法について


まとめ

角膜潰瘍は数日で急速に悪化することも多いため、早急に治療を開始することがとても大切です。こすったり掻いたりして悪化してしまうことを防ぐために、自宅にエリザベスカラーがある場合には、すぐに装着しましょう。ペットの目に異変を感じたときはできるだけ早く動物病院へ連れていきましょう。また点眼薬は獣医師の指示通りに使用することがとても大切です。点眼の順序や回数をしっかりと守りましょう。


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