猫の高血圧について┃10歳以上の高齢猫に多い│埼玉県川口市-森田動物医療センター

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いよいよ寒さも厳しくなり冬本番ですね。この時期は寒さにより血管が収縮し血圧が上がりやすいため、特に10歳以上の高齢猫は高血圧に注意が必要です。高血圧は、他の健康問題と共に発生することが多く、時に深刻な合併症を引き起こしたり、室内環境やストレスの変化が高血圧を悪化させたりします。

この記事では、猫の高血圧について原因や症状などを解説していきます。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や家庭での注意点
6.まとめ

原因

高血圧には特発性高血圧(原因がなく突然高血圧になる)と二次性高血圧(原因疾患により高血圧になる)があり、猫はほとんどが二次性高血圧です。

中でも多いのが腎性高血圧といって慢性腎臓病からくる高血圧です。腎臓にはレニン-アンギオテンシン系という血圧を調節する仕組みがあり、それがうまく機能しなくなることで血圧が上がります。

また高齢の猫では、体の自然な老化プロセスにより、血管の弾力性が失われ、血圧が上昇することがあります。

他にも甲状腺機能亢進症や高アルドステロン症、糖尿病など慢性疾患を持つ猫で多く見られます。

 

症状

進行とともに主に目や腎臓、心臓、脳に損傷を与え、それに付随した症状が現れます。


網膜や眼内の血管圧が上昇することで、眼内出血や網膜剥離を起こし、突然失明することもあります

腎臓
腎動脈圧の上昇により腎臓に負担がかかり、慢性腎臓病を引き起こします

心臓
血圧が高いと血液を送り出すために強い力が必要になり、心臓に負担がかかります。その結果、左心室肥大や心音異常、心不全を起こします


脳血管圧の上昇により脳神経系に異常をきたし、発作や混乱、異常発声、沈鬱などの症状を起こします

 

診断方法

血圧の測定には観血法非観血法があります。

観血法は正確な血圧を測定できますが、動脈に測定用の針を刺さなければならないため非観血法が広く使用されています。

非観血法は尻尾や足に測定用のバンドを巻いて血圧を測定する方法です。この方法は比較的簡単に測定できますが、巻く位置や猫の状態によって影響を受ける可能性があります。そのため、極力猫が落ち着いている状態で複数回測定します。

 

治療方法

原因疾患があればそちらを治療することで高血圧が改善することもあります。
ただし、それだけでは改善しない場合や、著しい高血圧の場合は降圧剤を使用し血圧をコントロールします。

 

予防法や家庭での注意点

猫の高血圧には原疾患が存在することがほとんどなので、基礎疾患から高血圧症へと発展させないことが大切です。

そのためには、病気の早期発見・早期治療が重要です。また基礎疾患を持っている子や高齢の子は普段から健康診断を受ける際に血圧も測定するとよいでしょう。

健康診断の大切さについてはこちらをご覧ください

 

まとめ

高血圧は始めは無症状でも将来的に様々な臓器にダメージを与えてしまう病態ですが、日常的に動物の血圧を測定する病院は少なく、見逃されがちです。そのため高齢の猫には、定期的に血圧をチェックする習慣をつけると良いでしょう。

 

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