去勢手術で予防できる病気!|犬と猫の精巣腫瘍と前立腺肥大について│埼玉県川口市-森田動物医療センター

  • HOME
  • ブログ
  • 去勢手術で予防できる病気!|犬と猫の精巣腫瘍と前立腺肥大について│埼玉県川口市-森田動物医療センター

犬や猫の精巣腫瘍と前立腺肥大は、オスの犬や猫に見られる病気です。しかし、去勢手術を行うことで、これらの病気の発症リスクを大幅に減らすことができます。

今回は犬と猫の精巣腫瘍と前立腺肥大について、原因や症状、治療方法などをご紹介します。

■目次
1.精巣腫瘍とは
2.前立腺肥大とは
3.予防法やご家庭での注意点
4.まとめ

 

精巣腫瘍とは

精巣腫瘍は精巣にできる腫瘍で、勢をしていない高齢のオス犬やオス猫で発生します。
犬や猫も良性腫瘍が多いですが、悪性腫瘍の場合は他の臓器に転移してしまうこともあります。

精巣は通常、左右の睾丸にそれぞれ1つずつに収められています。しかし、睾丸が1つしかない、もしくは1つもない停留精巣(潜在精巣・陰睾とも呼びます)の場合は、睾丸にない精巣が鼠径部(内股の足の付け根)の皮膚の下や腹腔内(お腹の中)に存在することがあります。これらの精巣は通常よりも高い温度に曝され続けるため、睾丸内にある精巣よりも精巣腫瘍が発生するリスクが高まります。

 

<原因>

犬や猫に精巣腫瘍が起こる原因は、遺伝的な要因や性ホルモンの影響が考えられます。

 

<症状>

犬や猫に精巣腫瘍が発生すると、精巣が腫瘍化して大きく、硬くなります
精巣は2つありますが片方のみ腫瘍化した場合は、触ったときに片方が明らかに大きくなっているなど、左右の精巣で大きさが不均一になります。
また、性ホルモンの影響で、発情期のメスに見られるような胸の張りが起こることがあります。他にも、脱毛や色素沈着、貧血などが見られることもあります。

 

<診断>

触診では精巣腫瘍の大きさ、硬さ、形などを確認します。停留精巣の場合は、超音波検査で精巣の様子を観察します。腫瘍が悪性か良性か、またどのタイプの腫瘍かを診断するには、まず血液検査やレントゲン検査などで全身の健康状態を確認し、その後、手術で摘出した精巣を病理検査にかける必要があります。

 

<治療>

外科手術で腫瘍化した精巣を摘出します
片方のみ腫瘍化している場合でも、再発を防止するために両方の精巣を摘出します。
手術後は確定診断のために摘出した精巣を病理検査に提出します。

 

前立腺肥大とは

前立腺はオスのみにある臓器で、膀胱の出口あたりで尿道を取り囲むように存在しています。
前立腺肥大は、名前の通り前立腺が肥大する(大きくなってしまう)病気で、犬では去勢をしていない高齢のオスでよく見られますが、猫では稀に見られます。

 

<原因>

先述したとおり、前立腺肥大は去勢をしていない高齢のオス犬に多い病気で、精巣から分泌される性ホルモンが原因で起こるとされています。

 

<症状>

初期は無症状で、次第に尿が出にくくなったり、血尿が出たりします
また、肥大した前立腺が腸を圧迫すると、便が出にくくなります。

 

<診断>

超音波検査やレントゲン検査で前立腺の大きさや尿道の圧迫具合などを確認します。
また、肛門から指を入れて前立腺を触る直腸検査をすることもあります。
前立腺が大きくなる病気は前立腺肥大以外にもあるため、鑑別のために精液検査や細胞診を行うこともあります。
血尿が出ている場合は、膀胱炎などを疑い尿検査も行います。

 

<治療>

前立腺肥大の治療では、去勢手術で精巣を摘出します。性ホルモンが原因の場合は手術後、徐々に前立腺が正常のサイズに戻ります。
高齢や基礎疾患により手術が難しいケースでは、抗ホルモン剤での内科治療を行うこともありますが、この場合は再発のリスクもあります。

 

予防法やご家庭での注意点

精巣腫瘍や前立腺肥大は、去勢手術により予防することができます
いずれも高齢になってから症状が現れる病気ですが、高齢になると麻酔や手術のリスクが上がり、手術ができないこともあります
そのため、予防のためにも若い時期での去勢手術を推奨します。

 

まとめ

今回は犬と猫の精巣腫瘍と前立腺肥大についてお話ししました。
どちらも去勢をしていない高齢のオスの犬や猫で発生する病気で、若いうちの去勢手術で予防することができます。
高齢になってからの病気は、本人の体力や基礎疾患の存在から、治療が難しいこともあります。そのため、若くて健康なうちに去勢手術をすることで、確実にこれらの病気を予防することが重要です。

 

■関連する記事はこちらから
犬と猫の去勢手術について
犬と猫の避妊手術について

 

埼玉県川口市・さいたま市(浦和区)・越谷市を中心に診療を行う
森田動物医療センター
当院の診療案内はこちら

TEL:048-281-3166

お問い合わせ

ご質問・ご相談などございましたら、お電話にてお受けしています。

TEL:048-281-3166

TEL:048-281-3166